公開日 2023年5月19日 最終更新日 2023年8月16日
フィンチャー監督の手腕で背筋が凍らない映画にしあがっている。
と書いたけれど、湖での刺殺のシーンはトラウマ級です。
デビッド・フィンチャーといえば、エイリアン3、セブン、ファイトクラブ…アバター(見ていない)と有名どころ多数で、ゴーンガールもたしかフィンチャーでしたっけ。
それだけの手練れな彼が、未解決事件・ゾディアック事件を題材に
【ゾディアック事件の影響により、人生を動かされた男たち】の姿をメインに描いている。
吹き替えは吹き替えでいい。メインの三人は良い味だしてる。
主人公はサンフランシスコクロニクル社で風刺画担当をしている【ロバート・グレイスミス】(ジェイク・ギレンホール)、そして記者のポール・エイブリーにデイブ・トースキー刑事。他にも私が好きだったのは、ナパ署のマラナックス巡査部長。
主人公は離婚しているが、映画後半近くでガールフレンド(クロエ・セヴェニー)と再婚する。ゾディアック事件を追うがために、グレイスミスは犯人の正体をあばくために取り憑かれてしまう。他にも、ポール・エイブリーは酒と大麻(らしきもの、マリファナ?)に溺れてクロニクル社をやめてしまう。
(ゾディアックの影に恐怖して酒に逃げてしまったのだろうか。)
デイブトースキー刑事の相棒、ビル・アームストロング刑事も転属届を出して、刑事二人のコンビは解消。
なんとなくだが、デイブは悲しかっただろうと想像できる。
この映画のすごいところは、比較的軽快な感じで、我々視聴者が映画をみられるところにある。
割と長尺な映画なのだが、さすがフィンチャー監督、すでにソリッドなクライム映画はセブンで気が済んだのか、このゾディアックではそういった感触は弱い。
どこに比重が置かれているかというと、前述したとおり、ゾディアック事件のせいで、人生や生活を悪いも良いも変えられてしまった人間たちの悲喜こもごも(どういう表現をつかっていいかわからないが…)を描いている。
だから、もっと視聴者を怖がらせたければ、(韓国映画の)【殺人の追憶】【あいつの声】のようにどうとでもできたのだろう。
しかし、主題は違う。未解決事件のために運命を動かされたものたちを描いているのだ。
まとめ
私がこの映画で、いちばん怖いシーンは冒頭でも書いたけれど、湖でカップルを腹ばいにして
ナイフで刺すシーン。女性は死んでしまう。ものすごい怖い映像とれる監督だと思いました。
自分の中のハイライトは一回だせば事足りるということでしょうかね。
その辺のインアウトが上手な映画監督だと思った。