はじめに:難解な映画を撮る監督は私は愚かだと考えている。
映画も、漫画も、創作物はわかりやすいが正解だと俺は思っている。
その俺的公式に若干、反しているのがこの映画だった。
すべてが難解という映画はおそらく存在しない。要所要所のシーンによる。
たとえば、ラストで現れる巨大チンポモンスターの父親がそうだ。しかし、私はこのシーンに共感ができる。物語において、父という存在は扱いがむずかしい。ストーリーを進めるには、父は師・主人公の前に立ちはだかる壁・ラスボス・あるいは既に死んで伝説の存在(神話のような)が妥当なのだ。これは一例だが、物語における父親という存在はだから、今回のように主人公と母がお話の主題で、主要キャラクターなのだから、もうここで人間の役者をだす必要性はないのだ。だからチンポの化け物でもいいとアリアスターは考えたのだろう。
ていうか、お前これスターシップトゥルーパーズの脳みそ吸う怪物だろ。
物語に父がいると、主人公が動かしずらい。または両親がいると動かしずらい。そんな事は何度も考えたことがある。だから一度もださずに、敵に殺された、だからその敵を倒すという目的を主人公はもって旅をはじめる。というお話は古今東西おおいと思う。
結局、エヴァンゲリオン系なのか。またはバービーのような映画なのか。
これは、ネットに既に掲載されているが、アリアスター監督の非公式な三部作の最終作らしいのだ。パート1:ヘレディタリー継承、パート2:ミッドサマー、そしてパート3:ボーはおそれている。どれも、親からの呪いが描かれている。だから、まあエヴァンゲリオンでもバービーでもないね。強いて言えば、デビットリンチ的な手法なのだ。
妄想シークエンスと、現実シークエンスがランダムに描かれる。そうして映画は、トゥルーマンショーのように完結する。